最近中高年ばかりか10代でも4割は悩む歯周病が簡単に治る1日3分の足の裏たたき

中高年の悩み[歯周病]が10代にも急増し原因は加工食品の多食による免疫力の低下

歯磨き不足だけでは歯周病にはならない

古代エジプト文明は、約五〇〇〇年前にナイル川流域で栄えました。そのナイル川のほとりに自生するアシの葉で編んだパピルスの古文書に、すでに歯槽膿漏の記載があったといいます。歯槽膿漏は、紀元前の昔からごくふつうに見られる病気だったわけです。
江戸時代ごろまでのわが国では、歯槽膿漏は「歯腐れ病」と呼ばれていました。そのものズバリの名前です。その後、歯槽膿漏と呼ばれるようになりましたが、私が生まれる前年の一九二〇年、歯槽膿漏から歯周病へと病名が変更されました。
「歯の周囲の病気」という呼び方は、どことなく人ごとであるかのような印象を受けます。それに比べて、歯肉からウミ汁が漏れ出ているという病状を、そのまま病名にした「歯槽膿漏」は迫力満点で、早く治さないと大変なことになるという思いに駆られます。
この歯周病に悩まされる患者さんが、最近とても増えています。特に中高年では、約八割の人が歯周病にかかっているといわれるほどです。
歯周病とは、歯の根の周りにある歯槽骨が腐り、ウミが出て、歯がグラグラするようになり、最後には歯が自然に抜け落ちてしまう病気です。では、歯周病はどうして起こるのでしょうか。
歯磨きのしかたが不十分なために口の中が不潔になると、歯の表面に歯垢(プラーク)がつきます。すると、歯垢の中にすみついた細菌が歯茎に炎症を起こし、その炎症がひどくなると歯槽骨を溶かすようになる、と従来から考えられてきました。
この考え方では、歯磨きのしかたが不十分で、口の中が不潔な人に歯周病は起こることになります。中高年の人の約八割は歯周病にかかっているそうですが、中高年の人はそんなに歯磨きが下手で、しかも口の中が不潔なのでしょうか。歯磨きのしかたや歯槽膿漏についての知識が普及し、歯科治療を受ける機会も増えているはずなのに、なぜ中高年にそれほどまでに歯周病が多いのでしょうか。
ところで最近、歯周病が多いのは、中高年だけではなくなってきました。歯周病といえば、昔は中高年の病気で、若い人には無縁と考えられてきました。ところが、最近は歯周病に悩まされる若い人が増えて十代の四割にも達しており、小学生のころから歯周病にかかっている子供も少なくないといいます。
最近の若い人は清潔指向が強く、不潔なものを嫌うことはよく知られています。清潔指向が強い人たちですから、歯磨きも一生懸命して、口の中を清潔にしているはずです。
その清潔指向が強い若い人たち、あるいは子供たちに歯周病が増えているのはなぜなのでしょうか。歯磨き不足によって口の中が不潔になっているから歯周病になるとは、簡単にいえないのです。
最近、歯周病の原因といわれているのが、加工食品のとりすぎ。冷凍食品・カップメン・スナック菓子など、さまざまな加工食品が登場して、若い人を中心に利用されています。ところが、加工食品の多くは製造するときに、体にとって貴重な有効成分であるビタミンやミネラル(無機栄養素)が、ほとんどなくなってしまっているのです。
ビタミンやミネラルは、抗酸化作用(酸化作用が強く、病気や老化の主原因である活性酸素を消去する働き)と免疫力強化作用(体にとって異物であるウイルスやガンなどに抵抗する力を強める働き)に大変優れています。
したがって、加工食品をとりすぎれば、抗酸化力も免疫力も低下してしまうので、歯周病の原因といわれる口の中の細菌が増えるため、歯周病を招くというわけです。


早すぎる老化が十代の歯周病を招く

ところで、今から数十年前に歯槽膿漏の呼び名が歯周病に変えられたとお話ししましたが、そのころから、全身から診た歯、歯から診た全身という視点が薄れはじめました。
もともと中高年に多かった歯周病が、なぜ若い人や子供たちにまで広がってきたのか、その原因を探るためには、歯と全身とのかかわりを忘れてはなりません。
最近の若い人や子供たちに歯周病が増えた原因は、彼らの早すぎる老化にあります。子供や若者が老化しているといっても、納得しにくいかもしれません。しかし、ぶくぶく太った肥満児など、昔はいませんでした。最近では、十代の糖尿病・高血圧・高脂血症(血液中のコレステロールや中性脂肪が増えすぎた状態)も増えているといいます。
以前、文部省(当時。現在は文部科学省)が子供の虫歯の状態を調査したとき、尿たんぱくの有無も調べました。尿たんぱくとは、尿中に含まれるたんぱく質の量で、腎臓の機能が低下すると、この値が大きくなります。
幼稚園児から高校生まで、一〇〇人を調べた結果は、そのうちの二〇人に尿たんぱくが検出されたそうです。つまり、二割もの子供が、中高年と同程度に腎機能が低下していることがわかったのです。
さて、さきほど私は歯と全身の関係についてふれました。これは東洋医学的な発想です。なぜ、歯周病が中高年に多く、若者や子供にも増えてきたのか、東洋医学的に考えれば簡単に説明がつきます。それは、「腎」の低下と関係して歯周病が現れるということです。
東洋医学では、腎が弱ると老化が進むと考えられています。中高年になると老化が進んで、腎機能も低下するのはさけられません。したがって、中高年になれば歯周病が多いことはうなずけます。
若者や子供に歯周病が増えたのは、彼らの体で早すぎる老化が起こっているからです。つまり、十代にして早くも腎機能が低下しているというわけです。そして、若者や子供の腎機能を低下させているのが、抗酸化力と免疫力の低下を招く加工食品のとりすぎなのです。

免疫力を強めて歯周病を退けるには歯ぐきばかりか全身の血行促進が一番 腎機能が低下すると歯周病は起こる

前の記事では、加工食品の多食によって十代でも腎機能が低下して老化が進み、それが原因で歯周病が起こるということを、簡単にお話ししました。この記事では、腎機能が低下すると、なぜ歯周病を招くことになるのかを、さらにくわしく説明することにしましょう。
東洋医学の古典には、「骨は腎のつかさどるところ、骨は腎の余りなり」と記されています。つまり、五臓六腑のうちの腎が骨を支配していて、歯も腎の支配下にあるというわけです。
さらには、こんなことも書いてあります。「歯齦より濃漏れ揺らぐは腎元の虚なり」。歯齦より濃漏れ揺らぐとは、歯茎からウミが出て、歯がグラグラすること。つまり、歯周病の症状にほかなりません。その歯周病は腎元の虚、すなわち腎機能の衰弱によって起こると明記しているのです。
東洋医学でいう腎とは、成長・生殖・老化をつかさどる機能のことを指しています。現代医学でいえば、腎臓・副腎・脳下垂体、それに生殖やホルモンの分泌、水分代謝といった働きに当たります。
年を取ると、耳が聞こえにくくなったり、足腰が弱ったり、体力や精力が衰えたりします。そうした老化による症状は、実は年を取って腎機能が低下したために起こるというわけです。
歯周病も、その例外ではありません。したがって、中高年の人に歯周病が多いのは、自然のことといえます。ところが、前の記事でも述べたように、最近は若者や子供にも歯周病が増えてきているといわれます。
原因は、若者や子供たちの早すぎる腎機能の低下にあります。そして、腎機能の低下を招いているのが、冷凍食品・カップメン・スナック菓子など加工食品のとりすぎです。
加工食品の多くは、製造するときに、体にとって貴重な成分であるビタミンや、カルシウム・マグネシウム・カリウムなどのミネラル(無機栄養素)が、ほとんどなくなってしまっています。
ビタミンやミネラルは、抗酸化作用(酸化作用が強く、病気や老化の主原因である活性酸素を消去する働き)と免疫力強化作用(体にとって異物であるウイルスやガンに抵抗する力を強める働き)に大変優れています。
したがって、加工食品をとりすぎれば、抗酸化力も免疫力も低下してしまうので、口の中の細菌が増えるため、歯周病を招くというわけです。
ところで、加工食品の多くはビタミンもミネラルも不足しているといいましたが、ミネラルの中でもナトリウムは多く含まれています。ナトリウムには、とりすぎれば血圧を上げるばかりか、腎機能も低下させる働きがあります。すると、血行が悪くなって免疫力も衰えることになるのです。
つまり、加工食品をとりすぎると、体内のビタミンやミネラルが不足するだけでなく、そのバランスも大幅に乱れてしまうわけです。その結果、前にも述べているように、抗酸化力や免疫力が低下してしまうので、歯周病になるというわけです。


歯周病を一掃する歯茎と全身の血行促進法

免疫力というのは、東洋医学でいえば腎の働きに相当します。腎は、成長・老化・生殖の機能をつかさどります。腎が衰えれば、さまざまな症状が体全体に現れてきます。
そこで、腎機能が衰えているかどうかをチェックできれば、歯周病ばかりか、腎機能の低下が原因で起こる病気を予防することができます。
1.何事にもやる気がなくなってきた。
2.夢をよく見る。夢でよかったと思うような内容が多い。
3.体は朝はだるく、午後になると軽くなる。寝つきが悪い。
4.決断力が低下した。
5.クヨクヨ心配することが多い。
6.目がショボショボする。
7.油っこいものが食べられなくなった。
8.顔の色つやが悪くなった。
9.冷や汗をよくかく。
10.性的な興奮が低下した。あるいはなくなった。
11.物思いにふけることが多い。
12.思い過ごしが増えた。

これらのうち、該当するものが三項目以上ある人は、腎機能が低下している可能性大。
腎機能の低下が進めば、歯周病を起こしやすくなります。しかし、歯周病の初期は自覚症状が現れにくいので、自分ではなかなか気づきません。そこで、歯茎の自己チェック法を紹介しますので、試してみましょう。
1.歯茎は引き締まっていて、光沢があり、ピンクに近い色なら正常。赤みがかっていたら要注意。
2.歯茎にしまのようにぽつぽつした黒や紫色の模様が現れたら、歯周病の前期。年を取ると手や顔に現れるシミと同じで、メラニン色素が沈着して起こる老化現象の一つ。
3.歯茎の腫れがひと目でわかるくらいなら、歯周病か歯茎の炎症。胃腸の異常の可能性も。
4.歯茎から出血して、歯茎が赤黒く見えたら、すでに完全な歯周病。

低下した腎機能を回復させたり、腎機能の低下の速度を遅らせたりすることは十分に可能です。腎機能を回復させるということは、低下した免疫力も強化されるということ。したがって、歯周病が大幅に改善したり、その進行を止めたりする効果が期待できるというわけです。
腎機能の低下を回復させて、歯周病を予防・改善させるためには、歯茎や全身の血流をよくすることが最も有効です。東洋医学には「お血」という病気のとらえ方があります。お血とは、血液循環が悪いことです。
歯周病が進んでくると、歯茎の色が暗紫色になります。これは歯茎に起こったお血にほかなりません。歯茎のお血の改善には、歯ブラシによる歯茎のマッサージとともに、咀嚼などあごを動かすことが大変有効です。
ものをかんだり話をしたりしてあごを動かすと、脳の使い古した静脈血が心臓へ活発に流れるようになります。食べ物をよくかんだり話をよくしたりすることは、歯茎のお血を改善するばかりか、脳の血流もよくする効果があるのです。
ところで、歯茎と全身の血行を促進させるために、もっと簡単で効果は絶大な方法があるのを、ご存じでしょうか。次の記事では、そうした方法をくわしく説明することにしましょう。





「開花」 2002年6月初夏号
松平歯科医院前院長 松平邦夫 記事より引用


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