日本の医療制度は世界に誇れる優れたものです。
国際的に見た日本の医療制度
世界の人々の健康を守るため活動している世界保健機関(WHO)が、昨年世界各国の保健医療制度を比較した結果を発表しました。
その中で日本の医療は、極めて高い評価を受け世界のトップにいます。(図1参照)このような高い評価を受けながら、低い医療費に止まっていることも日本の医療制度の特徴の一つです。日本の医療制度は、世界一の長寿国、世界一低い乳幼児死亡率の実現に大きく貢献しています。(図2参照)一方、世界各国の医療費を調べている経済協力開発機構(OECD)は、日本の医療費が世界の各国と比べてとても安いことを指摘しています。(図1参照)
私たちは、このようなことを当然のことのように受けとりがちですが、他の国の人々からみると、うらやましい限りなのです。このような国民の財産ともいえる制度を守り続け、質のいい医療を準備していくことが、日本医師会の責任だと考えています。
●日本の医療と外国の医療の比較
図1.健康寿命と医療費
世界保健機関 (WHO) |
経済協力開発機構 (OECD) |
||||
健康達成 | 一人当たり 国内総生産 (GDP) 1998年 |
総医療費と 国内総生産 との比 1998年 |
|||
健康 | 健康達成度 の総合評価 |
||||
健康寿命 | 平等性 | ||||
日本 | 1位 高い評価 |
3位 | 1位 | 5位 | 18位 低い医療費 |
オーストラリア | 2 | 17 | 12 | 17 | 7 |
フランス | 3 | 12 | 6 | 12 | 5 |
イタリア | 6 | 14 | 11 | 16 | 14 |
カナダ | 12 | 18 | 7 | 18 | 6 |
英国 | 14 | 2 | 9 | 14 | 21 |
ドイツ | 22 | 20 | 14 | 8 | 3 |
米国 | 24 | 32 | 15 | 4 | 1 |
出典:WHO(世界保健機関)World Health Report 2000, OECD(経済協力開発機構)OECD HEALTH DATA 2000
注:WHO・OECD加盟国のうち、主要8カ国のランキングを示したものである。
●健康寿命とは、健康で自立して生活できる年齢をいう。
●平等性とは、年齢や地域間の格差がないことを示す指標。
●国内総生産(GDP)とは、国の経活力の指標。
図2.乳幼児死亡率(出生千人対)、平均寿命の国際比較
乳幼児死亡率 (出生千人対) |
平均寿命 | ||
男 | 女 | ||
日本 | 3.6人 一番低い |
77.1歳 | 84.0歳 一番長い |
スウェーデン | 4.0 | 76.2 | 81.4 |
イギリス | 6.1 | 74.3 | 79.5 |
フランス | 4.9 | 74.6 | 82.2 |
ドイツ | 5.0 | 73.3 | 79.7 |
米国 | 7.6 | 73.6 | 79.4 |
出典:WHO World Health Statistics Annual, UN Demographic Year book
注:諸外国との比較は、国により作成期間が異なっており、本比較は各国の直近のデータによる比較である。
|BACK|