食事のたびにミニ虫歯



虫歯予防の第一は、間食回数を減らすことだと述べた。その理由を。
口内は、水分たっぷりで適温だから、ワンサと細菌がいる。常在細菌と呼ぷ。まあ害はなく、へたに消毒するとO-157など病害菌感染に弱くなる。
まあ害はないと言ったが、「砂糖を食べて乳酸を出す菌」も、口内の常在細菌に混じっている。これは害をする。
口に砂糖がわずかでも入ると、とたんに菌が働いて乳酸を作り、1分もしないうちに歯の表面をかなり強い酸性に変える。
歯の主成分のカルシウムは金属なので、酸がきついと溶け出す性質がある。乳酸の酸性で溶け始める。
でも唾液は弱アルカリ性で、酸を中和する。エサの砂糖も底をつく。だから歯のカルシウム溶出は、砂糖の供給が終われば30分ほどで終了する。とは言え、歯の表面のカルシウムは、砂糖が入ってくるたびにちょっぴり溶出し、目に見えない小さな虫歯ができるのだ。「ミニ虫歯」と呼ぶ。
次。唾液には、カルシウムがたっぷり含まれている。弱アルカリ性に戻ると、このカルシウムが自然に歯の表面に沈着する。3時間もあれば、できたミニ虫歯のアナは再沈着ですっかり修復される。以上の変遷をグラフに示した。
日に3度の食事には、砂糖が少量は入っている(砂塘を避けても、澱粉が酵素で麦芽糖などに変化し、菌の代謝でやはり乳酸を生む)。従って少なくとも食事の後、歯はミニ虫歯になっては、約3時間かけて自然修復されていると考えてよい。
次の食事まで3時間あれば、ミニ虫歯は消えるから、食事の砂糖やデザートは問題にしなくてよい。でもミニ虫歯の発生回数が多いと、それと同時に修復も中断されるから、ミニ虫歯はじりじりと拡大し、そのうち目に見える大ききに成長して、「あっ虫歯だ」ということになる。
超小型センサー、電顕写真などで最近、こんな風に虫歯ができるのだと、歯の表面の変動が分かってきた。

長倉功(医療ジャーナリスト)

歯の相談で、矯正は健康上よくない影響もあると説明すると、相談者は大いに不満を示す。納得してくれるまで大変だ。この常識を普及させたい。




食品と暮らしの安全 151号 2001年11月1日発行より



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